導入対象面積
2ha
導入開始時期
令和3年4月〜
埼玉県スマート農業アクションプランの取組
- 農地集積が進む担い手(ねぎ、ブロッコリー等)における省力化・効率化(産地の強化)
- 熟練農家の技術や知恵の見える化(産地の強化)
現状等
200a分の縄ずり作業(2人1組で約20mの縄を引きずり、ほ場に畝立ての基準となる目印をつける作業)を行うには12時間を要し、非常に負担が大きい作業となっている。
目標
- 作業時間の削減、作業の効率化
縄ずり作業の削減 6時間/ha
作業時間 10%削減 - 作業の軽労化、疲労削減
導入技術と効果
直進アシスト機能付きトラクタによる作業の効率化
直進アシスト機能付きトラクタを導入することで、トラクタの耕うん跡が縄ずりと同じ働きをするため、縄ずり作業(約12時間)を省略することができ、総作業時間を約10%(6時間/10a → 5.4時間/10a)削減できた。なお、土壌消毒や畝立て前の耕うん、残渣すきこみにかかる各作業時間については、低速での直進作業のため、慣行トラクタとの差はない。
導入前 | 6時間 |
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令和4年度 | 5.4時間 |
令和5年度 | 5.4時間 |
10a当たりの総労働時間
直進アシスト機能付きトラクタによる疲労感の軽減
運転者へのアンケート調査により疲労度の変化を調査したところ、直進アシスト機能により、細かなハンドル操作による直進作業や前方確認の負担が減ったため、身体的疲労は10%、精神的疲労は50%減少した。
導入前 | 100% |
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令和3年度 | 90% |
令和4年度 | 90% |
令和5年度 | 90% |
スラッガー 身体的疲労度
導入前 | 100% |
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令和3年度 | 50% |
令和4年度 | 50% |
令和5年度 | 50% |
スラッガー 精神的疲労度
実証・導入した機械
導入を検討されている方に向けて(農業者の声)
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導入してよかったこと
土壌消毒のように、直進だけでなく背後の作業状況も確認する必要のある作業では、前後確認の頻度が減るため精神的疲労度が大幅に軽減されました。
本機能により、熟練者以外の作業者でも作業が可能になる点はよいと思います。 -
想定と違った点
GPS受信のための地点登録をしていても、始点と終点が1m近くずれることがたびたび生じました。
ほ場が450mと長いこと、また、時速2kmの低速での作業となるためGPS受信にずれが生じるのは盲点で、ボタンによる手動での修正が複数回必要でした。 -
導入に当たって留意したほうが良い点
導入に当たっては、システム推奨のほ場の長さかどうか、試運転可能であれば実際に自分のほ場で試運転した方がよいと思います。