導入対象面積
水稲 0.6ha、麦類 0.6ha、大豆 0.26ha
導入開始時期
令和2年12月〜
実証期間
令和3年〜令和5年
埼玉県スマート農業アクションプランの取組
- 米麦等の切り替え時の効率化(生産効率化)
- 農地集積が進む担い手における効率化(生産効率化)
- 多様な品種構成などによる作期分散における効率化(県育成米などの品種特性への対応)
現状等
- 大規模な米麦二毛作を行う中で、不耕起播種栽培を行なっているが、トラクタが蛇行して、畝間に正確に播種することができない
- 防除・除草において、畝間を正確に進むことができず、雑草が残る、麦や大豆を巻き込んでしまうなどの問題が起きている
- 作業時間の削減、作業の効率化
通常播種作業時間の20%減 - 収量の増加、品質の維持・向上
通常作業と同等以上の発芽率
小麦200kg/10a→250kg/10a・大豆100kg/10a→120kg/10a - 規模拡大
21ha→31ha - 低コスト化
10a当たりの標準播種量の軽減 水稲5kg→3kg、小麦10kg→8kg、大豆8kg→5kg - 費用対効果
-
導入してよかったこと
なによりも運転中のストレスが激減したと感じます。5a程度の小区画のほ場でもすべてのほ場登録でABライン登録をしています。 -
想定と違った点
専用ハンドルに交換することになり、数cmであるがハンドルの位置が変わります。(約3cm程度上になります。)通常のハンドル操作時に気になったため、座席を上げて対処しました。
目標
導入技術と効果
作業時間・播種量の軽減
既存のトラクタに自動操舵システムと不耕起播種機を組み合わせることで、正確に直進運転しながら耕起播種ができるようになり、作業時間を75%(124分→32分)軽減、播種量の軽減ができた。
栽培作物 | 導入前 | 令和4年度 |
---|---|---|
小麦 | 124分 | 32分 |
水稲 | 変化なし※ | |
大豆 | 変化なし※ |
※基肥の施肥を播種同時かつ側条施肥としている。別途購入した施肥機が、施肥時の速度を一定に保つ必要がある機械であったため、結果的に作業時間が同一になった。車速連動の施肥機であれば車速を早くした分削減効果があったと考える。
10a当たりで削減された作業時間
踏みつけによるロスの抑制、正確な除草作業
従来は車高の低いロータリ耕で行っていた除草作業に、自動操舵システムを装備できる最低地上高の高い管理機(モア付)を導入したことで、踏みつけによる大豆のロスを抑えることができ、生育後半でも管理機による除草作業が正確にできる ようになった。
作業精度向上、疲労度の軽減
自動操舵システムによる作業の導入により、作業精度が増した。また、作業中の後方確認時に曲進の心配がないため、ストレスなく作業を行うことができ、作業中の疲労度を軽減できた。
水稲・大豆の収量の増加と規模拡大
水稲で9%(420kg/10a→457kg/10a(3か年平均))、大豆で13%(100kg/10a→113kg/10a(令和5年度))収量が増えた。
導入前 | 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | |
---|---|---|---|---|
水稲 | 420kg | 460kg | 460kg | 450kg |
小麦 | 200kg | 200kg | 200kg | 90kg※1 |
大豆 | 100kg | 100kg | 200kg※2 | 113kg |
10a当たりの収量
※1 令和5年度の小麦の減収要因は播種後の雨と考えられる。
※2 令和4年度の大豆は作柄が特に良好だったため外れ値と判断した。
また、作付面積を8.5%(21ha → 22.8ha)拡大できた。
導入前 | 21ha |
---|---|
令和3年度 | 22ha |
令和4年度 | 22ha |
令和5年度 | 22.8ha |
栽培面積