導入対象面積
1.2ha
導入開始時期
令和3年9月〜
実証期間
令和3年〜令和5年
埼玉県スマート農業アクションプランの取組
- 農地集積が進む担い手(ねぎ、ブロッコリー等)における省力化・効率化(産地の強化)
- 熟練農家の技術や知恵の見える化(産地の強化)
現状等
- 作業に不慣れな従業員には均等な植え溝形成が難しく、その後の土寄せや収穫作業の妨げになることがある
- 連作障害対策として緑肥を利用しているが、手押し式の播種器で条播・中耕をしているため、膨大な時間がかかっている
- 病害や雑草防除のために太陽熱消毒を実施しているが、手作業でのマルチングをしているため、膨大な時間がかかっている
- 感覚的に行っていた薬剤防除や追肥等が効果的なのか、疑問に思っている
目標
- 作業時間の削減、作業の効率化
ねぎ移植作業 作業時間の短縮 30%
土づくり作業 作業時間の短縮 30% - 収量の増加、品質の維持・向上
秀品率の向上 20%増(60%→80%)
導入技術と効果
直進アシスト機能付きトラクタとねぎ植整形機による作業時間の削減
直進アシスト機能付きトラクタとねぎ植整形機を組み合わせ、耕うんと植え溝作成を同時に実施した。溝底が耕うんされ、簡易移植機が引きやすくなっただけでなく、トラクタが直進している間は操作の必要がないため、熟練の技術を持たないスタッフも作業ができるようになった。
導入前 | 植え溝作成 4.75時間 |
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令和4年度 | 植え溝作成と定植 2.06時間 |
作業と10a当たりの作業時間
直進アシスト機能付きトラクタと施肥・播種機による作業時間の削減
直進アシスト機能付きトラクタと施肥・播種機を組み合わせて導入し、耕うんと緑肥作物の播種作業、除草剤散布を同時に行い、その結果、作業時間を71%(1.75時間→0.5時間)削減できた。
導入前 | 1.75時間 |
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令和4年度 | 0.5時間 |
緑肥作物の播種・除草剤散布の作業時間
直進アシスト機能付きトラクタと畝整形マルチによる作業時間の削減
直進アシスト機能付きトラクタと畝整形マルチを組み合わせて導入し、耕うんと平床形成及び被覆作業を同時に行った。
秀品率の向上
均等な植え溝形成による管理作業の効率化等により、秀品の収量が23%(60%→83%)増えた。
導入前 | 60% |
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令和4年度 | 83% |
秀品率
実証・導入した機械
機械 | メーカー | モデル | 台数 | 写真・画像 |
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直進アシスト機能付きトラクタ | 井関農機株式会社 | RTS25ZGQ | 1台 | |
環境モニタリングシステム | ITbookテクノロジー株式会社 | みまわり伝書鳩 | 親機1台 子機3台 |
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導入を検討されている方に向けて(農業者の声)
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導入してよかったこと
スタッフには将来的に通常のトラクタの操縦もできるようになってもらいたいと考えているため、ファーストステップとしては有効だと感じました。 -
想定と違った点
車重が軽く、アタッチメント装着により重心位置が後ろに下がった際に、ほ場進入時に不安定になることがあります。 -
導入に当たって留意したほうが良い点
直進アシスト機能では誤差が発生するため、誤差の許容とGPS感度の強弱への留意が必要です。 -
今後導入したい方に向けて
野菜作りでは完全自動より直進アシストのほうがあっており、コストパフォーマンスとしてもいいと考えます。10年以上使う機械ですので、なるべく早く導入して作業体系の見直しを図ることをお勧めします。